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Limit battle/1章~教師~

第26話~講師実習~


大学に通う修達。この大学では1月に実際の学校に行って講習を受ける事になっているのだ。修達もこの時期に実習を受ける。


修「おい、お前何処の学校行くんだ?」

真「俺は第1立中学。お前は?」

修「三丘学園だって。一応高校だな。」

2人は大学の食堂で話をしている。

修「お前は中坊か。俺は歳の近い高校生。すぐに仲良くなれるといいな。」

真「そうだな。中坊はちょっと慣れるのに仕方ないか。」

と、そこに美雪が里香を連れて一緒にテーブルに座った。

美雪「私と里香ちゃんも修君と同じ所だ!」

修「へー。真~お前だけ仲間外れだなっ!」

真「んだよ、その眼。やな奴~。」

彼は大福を一口で頬張る。

4人で食事をし始めた。


午後の授業――

午後の授業ではその実習の説明が始まった。




放課後―

修「んー!疲れたァ・・」

腕を上に上げて腕の筋を伸ばす。

そのまま地元駅まで歩いていった時、駅前の喫茶店に寄った。

喫茶店に入りカウンターへと座る修。

店員「いらっしゃいませ。ご注文は―」

修「じゃ、エスプレッソとツナサンドで。」

店員「かしこまりました。少々お待ちください。」

店員の女性の下がっていく後姿を見ながらそのまま窓の外に眼をやる修。

それと同時に店のドアが開くと鳴る鈴の音が店内に響く。

入って来たのは身長の高めの男だった。

その男は修の座ってる横に座る。

男は店員に注文をした後大事そうに持っていた紙袋から1冊の本を取り出す。雑誌の様だ。

修(・・?)

その本を大っぴらと広げて読み始めた。その雑誌は思いっ切り同人誌に見える。

修(うわ・・すげ・・)

彼は同人誌に少し眼を奪われてしまったが、すぐに眼を窓の外に戻す。

丁度その時、修の注文したエスプレッソが届いた。

修(焦るな・・世の中広いんだ。こういう人はいる―)

彼は口元を少し緩めてコーヒーを飲み始めた。

それと同時に横目でその男を見た。小声で何かを口ずさむ。

???「シャナたんいいなァ・・萌える!」

修「ゲホっ!?」

むせた―


数分後、ツナサンドも来た。修は急いで完食して勘定を済まして店を出た。

その慌しい修をさっきの男は横目で見ていた。


修「ふぅ・・堂々としてらァ・・て―」

彼の見た物は、店の駐車場にあった黒いS15だった。しかし、タダの黒いS15ではなかった。

修「痛い・・絶対このマシンあの人のだ・・。」

目の前にあるS15はボンネットとサイドにキャラクターのステッカーを貼ったS15が停車してあった。

修(見なかった事にしておこう。)

そのまま見なかった事にして店を後にして駅に向かい、電車に乗って地元、由比に帰っていった。


数週間後、実習の日―

修達の行く高校は自分の車で来ても言いと言うので修は自分のランエボで向った。

―と、バックミラーにピカピカと光るヘッドライト。

修「あ?スープラ・・美雪か。」

そう、そこに写ったのは美雪のスープラ。

修「そういえばあいつも同じところだったな。」

そう、美雪も同じ所に実習しに行くのだ。


美雪のスープラ―

美雪「前の修君のだよね?」

里香「100パーそうでしょ。」

美雪のスープラで一緒に目的地まで向っていた。



数時間後、やっとの事目的地―三丘学園へと到着。

修「ふぅ・・よう。」

彼は車から降りて美雪達に一声掛けた。

美雪「おはよ。まず先に学園長に挨拶いかないとね。」

修「あァ。それより、里香は何で自分の車じゃないんだ?」

里香「燃料代節約!」

修「あっそ。」

彼はそう言い放って2人に背を向けた。と、その先には――


第27話へ続く。


第27話~派手と派手~


彼等の眼前に現れたのは黒のS15。しかも、あの修が駅前の喫茶店の駐車場で見かけたあの痛車であった。

修「んげッ!?」

美雪「何あれ!?」

里香「凄いね。ああいうの初めて見た!」

3人はそのS15を見ながら三丘学園の校舎へと足を運ぶ。事務室へ行き挨拶。その後案内されて校長室へ足を運んだ。

挨拶を済ました3人は校長に連れられて職員室へと入る。

校長「えー、今日から1週間。我が校で研修をする3人の実習生を紹介します。では、一人ずつ紹介お願いします。」

まず始めに修が切り出した。

修「今日からお世話になります、佳山 修といいます。自分も半年前は高校生でしたが、頑張って行きますので宜しく

お願いします!」

彼に続いて美雪。

美雪「前の佳山と同じく、今日からお世話になります。綾川 美雪です。短い間ですがお願いします。」

最後に里香。

里香「佳山、綾川と同じく、今日から短い間ですが宜しくお願いします。」

3人は自己紹介を終えた後、修達を指導する指導員の先生を紹介させられた。

真里菜「私は相沢 真里菜。美雪ちゃんの指導員を任されたわ宜しく。」

美雪「宜しくお願いします!」

彼女には真里菜と言う少し方言のある女性が着いた。

板島「俺は板島 要一だ。宜しく!」

里香「はい、宜しくお願いします。」

そして――

浅田「俺は浅田 圭介、宜しくね。」

修「よ、宜しくお願いします。」

彼は少し顔を引きつらしていた。何故かと言うと・・そう、前喫茶店で横に座って変な行動をとっていた男だったからだ。

彼等は指導員に案内されながら各自教室へと向った。


移動中、浅田と修は―

浅田「そういえば、君この前駅前の喫茶店で俺と会った事ない?」

修「え?あ・・えぇ・・多分あるかと。」

浅田「やっぱり!君の髪型派手だったから覚えてるよ!」

修「そうですか・・。」

浅田「で?今日は何で来たの?」

修「自分の車で来ました。」

その言葉に浅田は反応を示す。

浅田「車か。どんな?」

修「ランエボです。浅田先生の車の後ろに停めましたよ。ほら、そこの・・」

彼は階段の踊り場の所にある窓から見える自分の車を指差した。

浅田「うぉ!?スゲ!何かフェンダー着いてね!?俺のより派手じゃん!」

修(そ・・そうかなァ・・浅田先生の方が派手かと・・。)

浅田「あの車速そうだ・・どうだ?今夜一緒に峠行かないか?君の地元の近くの峠でいいよ。何処かいい峠ある?」

修「どうですね・・由比で一番有名な所で・・やっぱり阿神ではないでしょうか。」

阿神と聞いて浅田は目の色を変えた。

浅田「何・・阿神か・・。よし。そこにしよう。いいね?」

修「いいですよ。でも、その前に教室行かなくていいんですか?」

浅田「あ゛!」

彼は急いで修を連れて教室へ走った。

教室に着いた後、2年生のクラスの全員に修を一通り紹介させた。


第28話へ続く。



第28話~木内兄弟~


実習初日の1日を終えた修達は、放課後3人集まって、駐車場で話を始めた。

修「俺の担当の浅田先生が今日阿神に来るんだって。」

美雪「へぇ。あのS15の人?」

修「そう。」

里香「あのS15結構中身化けてるかもよ?見かけに騙されてたら負けるよ?」

修「わかってるよ。真じゃねぇンだから油断はしないって。」



真「っへっくし!」



修は自分のランエボの屋根に肘を置いている。

美雪「じゃ、そろそろ行く?」

修「そうだな。」

里香「じゃ、今度は修君のランエボに乗せてもらおー!」

修「えー・・。」

里香「いろんな人の車に乗るのが趣味なんだぁ!」

修「変なの・・。まぁ、いいけど。」

ランエボに乗り込む修と里香。スープラには美雪。2台は三丘学園の校門を出て行った。

その出て行くマシンを浅田見ていた――


PM.20:00~阿神峠麓

そこには修のランエボと真の240ZGが停車してあった。

真「どうだった?研修。」

修「ん?微妙。」

彼は温かいエスプレッソを手に持って交互に缶を持つ修。

真「へぇ。俺は一緒に研修してた女の子と仲良くなってよ、1日で付き合うところまでいったんだぜぇ!」

修「はぁ!?マジで!?」

真「う・そ・!」

修「・・・」

彼は黙って真の首を絞めた。

真「わー!ごめん!ゆるしてぇ!ば、バカ!死ぬ!」

2人はじゃれている所に1台のエキゾースト音が聞える。

銀色のBNR34と銀色のBCNR33が視界に現れる。

修「あ・・アレは・・」

そう、1台は前栄治のショップの前で挨拶をした雅道のZ-tuneだった。

修「アレ、Z-tuneだ!」

真「まっさか!?」

彼も信じられなかった。

Z-tuneはBCNR33は修ランエボの横にZ-tune、真の240ZGの横にBCNR33が停まった。

それぞれのマシンから男が出て来た。

修「雅道さん!お久しぶりです。」

雅道「ん?あぁ。佳山か。久しぶりだな。」

修「あれ?今日はレースなかったんですか?」

雅道「今月はな。来月から初戦はマレーシアだ。」

修「そうですか・・大変ですね。」

真「ん?んん?何の話ですか?」

修「お前には関係ない。お汁粉でも啜ってろ。」

真「なんだよ・・バーカ・・バーカ。」

そう言って彼は修に背を向けてお汁粉を音を立てながら飲みだした。

???「まぁ、仲良くしましょう。」

真に声をかけて来た男。礼儀のいい風貌の青年であった。

???「自己紹介が遅れました。私はそこに居る雅道の弟、木内 拓哉です。一応若くしてRfactoryと言うチューニングショップの

店主を任されています。どうか宜しくお願いします。」

真「俺は高嶺 真です。宜しくお願いします!」

修「佳山 修です。宜しくお願いします。」

挨拶が済んだ4人はお互いのマシンを見ていた。拓哉の目に焼き付いたのは修のランエボではなく何故か真の240ZGだった。

拓哉「これは・・外見もかなり綺麗なままのS30ですね。Gノーズって事は240ZGでしょうか?見た感じタイヤはリアだけ

太めのタイヤですね。磨り減り方からしてドリフトはかなりハードな仕方ですね。」

真「一回見ただけでそこまで解るんですか・・」

拓哉「ええ。後、フロントとリアの感じで、フロント側が若干低い気がするのでもしかして重めのエンジンとか積んでたり・・。」

真「その通りです!これはR32様のRB26DETTに換装していて、340馬力超の心臓です!」

拓哉「ほォ・・なかなか―」


2人の話は故一時間続いた。

しばらくして街の方からSR20DETのエンジン音が響いてきた。

そう―

浅田のS15が赤いヘッドライトを光らせながらやって来たのだ―!


第29話へ続く。



第29話~vsASADA~


街の方からやって来た赤いヘッドライトを光らせたS15は修達の居るコンビニの駐車場へと入って来た。

修「あれだ・・。」

拓哉(何か・・動きが変でしたねぇ・・)

4人の前に停車されたS15から浅田が降りて来た。

浅田「ごめん。ごめん。待った?」

修「いえ、俺も今来た所です。」

浅田「そちらの方々は友達かい?」

真「俺は修と同じ大学に通ってる高嶺 真です。」

拓哉「私は木内 拓哉と言います。こっちが兄の雅道です。」

雅道「宜しく。」

5人の自己紹介が終えた後、浅田から話を切り出した。

浅田「じゃ、そろそろ早めにおっ始めるかい?修君?」

修「そうですね。戦りましょう!」

彼の返事に浅田は「よし!なら準備をしよう。」と言って車に乗り込み、頂上へと向かって行った。

修「じゃ、俺も行くから。真。着いて来てスターターやってくれる?」

真「ガッテン。」

2人はそれぞれの車に乗って阿神を登って行った。



頂上

S15に寄り掛かって修達を待っている浅田。そこに修と真のランエボと240ZGが到着する。

修「遅くなりました。」

浅田「いやいや、大丈夫だよ。問題ない。っさ、始めるとするか!」

修「はい!」

2台はスタート位置に着いた。

真「カウント始める!5!」

2台の真ん中に立って腕を高く上げてカウントをスタートし始めた真。

真「4!3!」

ランエボとS15のエキゾーストが重なって聞え山々をこだまする。

真「2!1!」

彼の声に合わせてアクセルを煽る修―

浅田のS15は修のランエボと少しずらして音が聞える。

真「ゴー!!」

彼の合図と共にバトルはスタート!

スタートダッシュで四駆のランエボが頭を取る!

修「あの人の走りは全くわからない・・何処で仕掛けてくるかも・・!」

彼はそういいつつ2速から3速へシフトアップ。

浅田(2速⇒3速での加速が半端ないな。でも、着いていける。)

彼もランエボのシフトポジションとは少し行った所でシフトアップ。

下り最初の5連ヘアピンへと差し掛かる2台!

ランエボはグリップで入る。対してS15は軽いドリフト!

修「速いドリフト・・だ!」

最初のコーナーをクリア。続けて右左と続く。

5連ヘアピンを抜け切った所で修は違和感を感じた。

修「・・あれ?S15あんなにコーナー出での加速良かったっけ・・?」

それもそのはず。ランエボ加速に追い付いてくる程の加速だったからだ!

浅田「俺のS15は2.2L化してあるからね。後は何で速いかは知らないけど。」

そういいつつシフトを4速から5速へアップ。

修(う・・!もうテール・トー・ノーズかよ・・!)

S15がランエボのリアテールギリギリまで迫って白いランエボのリアバンパーを赤いヘッドライトで照らす!

修「っく・・威圧感あるな・・。」

アクセルを踏み込みストレートで少しだけだが差を付けるランエボ。

しかし、またコーナーで差が戻る!

浅田のS15の加速は一体・・!?


第30話へ続く。


第30話~今宵の終結~


ランエボのルームミラーに写る赤いヘッドライトのS15・・

浅田「やはりあのランエボは空力マシンか・・コーナーでのあのグリップを見ればなァ・・。地面に吸い付いてる感じが

したし・・。次のコーナーあたりでアイツの癖がわかりそうだ。」

ぴったりくっ付いたまま右の若干円を描いたコーナーへ。

修「なんだ・・この人かなり速い・・!車の見た目からしてあんまり・・って思ってたのに・・!!」

ランエボは少し早めでブレーキ。S15は”それを待っていた!”と言わんばかりにランエボが大きく開けたインに飛び込んだ!

修「っな!?」

彼は横目でS15を見た。S15の車内には同じくこっちを見て少し口を歪めている浅田の姿が映し出されていた。

浅田「その空力マシンは、早めのブレーキをしないと確り曲がらない。スピードが乗りすぎると逆に真っ直ぐしかブレーキが効かな

いしな!しかも、ドライバーは右コーナーが苦手と見た!」

彼の言っている事は大当たりだった。マシンの癖、ドライバーの癖を少し走っただけで見抜いた。

修「な・・なんだよ・・あの人ッ!速いじゃねぇか!」

彼はコーナーを抜け、シフトレバーをまるでムチの様にアップさせる。

浅田「ふふふ・・焦っている表情が思い浮かぶ・・。」

なんと、S15がランエボをも凌駕する加速でエボと差を付けていた。

修「は・・はァ!?幾らにせん・・これは何!?」

ホントに驚かされたのはこれだけじゃなかった。

その後もコーナーを抜ける度に差が縮まる所か広がる一方。


しばらく走り、かなりのハイペースだった為、一気に魔のコーナーも過ぎた。

修「この人・・マジで速い・・っく!追い付けないのか・・!」

彼は本気でハイペースの走りだった。それでも追い付けない。

浅田「俺の本気はこんな物だ。さぁ、後はぶっ千切るだけだな。」

と言い、彼はシフトレバーに左手を添えた。右手はステアリングをグッと握り締めた。

それから数秒後、S15の伸びは止まる所か伸びていった。

修「うゥ・・!」


勝負は決着が着いた。

結果か2秒差で修のランエボが敗北。


修「あ・・ありがとうございました。」

浅田「いや、修君も凄く速かったよ!でも・・経験の差が結果を出したね。」

彼は自分の愛車に腰をかけながら言った。

修「でも・・なんでコーナーの出があんなに速かったんですか?そこだけが不思議です・・」

浅田「え?速かったかな?何時もの感じでやってたからわかんないや」

彼は左手で後頭部を抑えながら笑っていた。

修「そうですか・・。」

頭を下に向けて少し声を抑えて言った。

浅田「・・-キットのライセンス取って見ないか?」

修「え?」

彼はゆっくりと頭を上げた。

浅田「サーキットのライセンス、取って見ないかい?君なら簡単に取れるはずだ。」

修「サーキット・・ですか・・。」

浅田「うんうん。いっその事、プロを目指すのもいいかもよ。俺はサーキットの催しに出てちょくちょく賞金を稼いでいる程度

だ。君ならまだ青いし走りもきっと伸びる。どうだ?大学行きながらプロ活動・・?」

修「・・考えて見ます。」

彼の眼はもう答えを出したかの様に輝いていた。

浅田「よしよし。じゃ、俺は帰るよ。また明日学校でね。」

彼は手を振ってS15に乗って街の方へと帰って行った。

修は最後まで見送った。

麓に居た真達は修の負けた事を気にして何も言わなかった。

修「ん~!何か気分がスッキリしたぜ!さ、皆さん。帰りましょうか?」

その後、個人個人で峠を後にした――


数日後・・修は三丘学園の研修を終えた。

今は家に居て今日は日曜。学校は休み。

修「・・栄治さんの所にでも行ってみるか・・。」

彼はベッドから這い上がり部屋を出た。階段を静かに下りてガレージへと向った。

修「アレ・・?S2000が無いな。今日は香苗姉さん居ないのかな。」

彼は少し疑問に思っていたがすぐに自分のランエボに乗ってEIJI SPEEDへと向った。



第31話へ続く。


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